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宝くじ、地方公共事業の宝 販売総額の4割を道路や橋の建設に

■はずれても社会貢献

 1等・前後賞合わせて2億円が当たるオータムジャンボ宝くじ。「一獲千金の夢」は10月18日の抽選日まで続く。2005年度に1億円以上の当せん金を手に入れた人は延べ637人。1日に1・7人の“億万長者”が誕生しており「次はわたし」と思うのも当然か。当たらなくても悲観することはない。購入額の4割弱は地元の教育施設や道路整備などに使われ、世の中の役に立っているのだから。(編集委員 松岡健夫)

 オータムジャンボが全国一斉に売り出された25日。東京・銀座の西銀座デパートチャンスセンターには220人が列を作り、朝8時30分の発売を待った。

 先頭の男性は前日の朝10時に来たというから驚きだ。「4年連続で1番窓口に一番乗りできた。験担(げんかつ)ぎ」という。200枚(1枚300円)を購入し、1等賞金で「家を建てたい」と夢を語る。当日の午前2時に横浜からやってきた男性は「銭洗弁天(神奈川県鎌倉市)で洗い清めてきた」紙幣で500枚を購入した。

 年5回発売されるジャンボは、宝くじ販売額の約50%を占める。人気の理由は賞金の大きさ。しかも「抽選までの期間が長く、大きな夢を持続できるのも魅力」と全国自治宝くじ事務協議会事務局書記の杉村雄貴さん。日本宝くじ協会が04年に実施した「宝くじに関する世論調査」でも「賞金目当て」(59・3%)と「大きな夢があるから」(50・6%)が購入の2大理由。この傾向は変わっていない。

 実際、05年度に1000万円以上の当せん金(ブロックくじなども含む)は4176本出ており、3時間に1人が当たった計算になる。10万円以上は3分に1人だ。なんだか簡単に当たりそうだが、販売枚数は47億3886万枚だから、2万5000枚に1枚という確率だ。

 では、宝くじ全体の販売額は上昇基調にあるのか。杉村さんは「05年度は史上最高の1兆1047億円を売り上げたが、この5年間は横ばい。売れ残る宝くじもあるので、好調とはいえない」と指摘する。

 打開策はやはり賞金の大型化。販売額が1兆円の大台に乗ったのは01年だが、1999年に1等2億円の宝くじが誕生し、翌00年には法廷当せん金が最高4億円の数字選択式くじ「ロト6」が発売された。市場拡大の牽引(けんいん)役は高額宝くじだ。

 数字選択式はファンを増やすことにも貢献した。自分で数字を選べ、いつでも好きなだけ買えるためだ。当せん金額が当せん口数で変わるのも魅力で、ロト6の場合、理論上の1等賞金は約1億円。加えて、当せん金を次回に繰り越すキャリーオーバー制を採用したことで、最大4億円も可能になった。

 ただ、いたずらに射幸心をあおるわけにもいかず、販売額を再び上昇トレンドにのせるために関係者は知恵を絞っている。

 その理由は公共事業。宝くじを発売できるのは、宝くじの法律「当せん金付証票法」に定められた都道府県と15政令指定都市だけ。発売元は販売総額の39・8%を収益金として受け取り、道路や橋梁(きょうりょう)、社会福祉施設などの建設改修費に使われる。

 国の予算で公共事業関係費が毎年削られるなか、地方自治体にとって宝くじの収益金は貴重な財源だ。その金額は05年度で4633億円。公共事業費を確保するには、宝くじの売り上げを伸ばさなければならないというわけだ。東京都財務局に勤める杉村さんも「1万円札を出してジャンボを30枚、同時に発売している東京都宝くじを10枚買う」。宝くじ購入はりっぱな“社会貢献”でもある。

 宝くじ券の作成から販売、当せん金の支払いなどを発売元に換わって行うみずほ銀行は「公共事業を手伝うという使命感から」(渡辺昭浩宝くじ部広報宣伝担当・調査役)から受託している。

 「当たる、当たらない」にはだれもが関心を示すが、宝くじの購入が街作りに役に立っていることを知らない人は少なくない。この宝くじ本来の目的を知らせることもファン獲得につながるはずだ。財源不足に悩む自治体にとって、救世主となりうるファンの足を宝くじから遠ざけないためにも必要な情報発信が不可欠だ。

(フジサンケイ ビジネスアイ)


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